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12月2日のまにら新聞から

公共交通機関整備を

[ 712字|2013.12.2|社会 (society)|新聞論調 ]

政府の渋滞対策

 交通渋滞がひどい。クリスマスを控えた今はなおさらだ。レクト上院議員も最近の公共サービス委員会の公聴会で政府の対策の必要性を訴えた。それによると、首都圏などの交通渋滞による経済損失は年間36億ドルに達している。その内訳は10億ドル分がガソリンや電気、人件費の無駄使いで、残りの26億ドル分が販売や投資機会の損失だ。

 今やフィリピン国民の14人につき1台の車両が路上に出回り、1時間ごとに47台の車両が追加されている計算だ。シンガポールなどほかの国ではそもそも駐車場や自宅ガレージを持たない運転手には免許証自体が発給されない。渋滞の原因となる路上駐車は人権として認められていないのだ。この渋滞を解決するためには道路を整備したり新たに道を造るのではなく、公共交通機関を拡充させることが急務だ。

 また、大気汚染防止法や排気ガス規制はどこにいったのだろう。1日に12人の違反者を捕まえた取締官にボーナスでも支給するという通達を出せばいいのだろうか。アバヤ運輸通信長官には期待していたが、首都圏地下鉄構想を考えついた時点で期待できないと諦めた。エストラダ・マニラ市長とその支持者であるやはり俳優出身のモレノ副市長の方が、運行許可を持たないバス会社の乗り入れ取り締まりを強化してうまくやっているように見える。トレンティーノ首都圏開発局長も、車両の末尾規制を週2日に拡大するなどとの主張を止めて、もっと慎重に対策を考えるべきだ。

 首都圏の各首長は高架鉄道の運賃を維持するために資金援助すべきだ。また高架鉄道がもっと効率的に輸送できるよう整備に力を入れる。あと、路面電車を復活させても良い。(25日・ブレティン、ホセ・サイデ氏)

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