がんばれ比代表ギラス
FIBAアジア選手権
1960年。リサール・メモリアル・コロシアムは、台湾を破り、バスケットボール・アジア選手権の初代王者に輝いた比代表への喝采で包まれた。負けなしの優勝だった。13年後、2回目の開催国となった同選手権では、ドリーム・チームと呼ばれ、決勝進出。通算4回目の優勝に立ちはだかったのは韓国だった。決勝戦は接戦。韓国は比の容赦ない攻撃とアウェーの不利にもめげず、48対48の同点で前半を終えた。しかし後半、比はリズムをつかみ最終スコア90対78で4回目の優勝を飾った。
(85年に5回目の優勝を果たすものの)アジア・バスケットボールのスーパーパワー、比は、その後、姿が見えなくなる。今や比バスケの黄金時代は時の霧の中でかすんでしまった。アジアのスポーツ大国の名を中国など東アジアの隣国に譲り、国際舞台での数々の屈辱的な敗北を嘆くようになった。
「たかがバスケ」と言う人もいる。大学バスケで会場は満員、プロチーム、バランガイ・ヒネブラに数多くの国民が熱狂し、レブロン・ジェームスを一目見ようと長蛇の列ができる。本当に「たかが」だろうか。
比はスポーツを国の情熱に、活躍する選手を英雄に押し上げてきた。最後に比がアジア選手権を開催してから40年。関係者が選手権誘致に努力を重ねた成果だ。1日から始まった同選手権では、上位3位に来年スペインで開催されるワールドカップの出場権が与えられる。その一つを勝ち取りたいが、障壁は高い。最大の壁、中国はロンドン五輪での雪辱を果たそうと必死だ。前回優勝のイランは連続優勝に貪欲。永遠のライバル、日本と韓国も優勝を狙っている。
悲観論者は多いが、国のために戦っている比代表を応援し、誇りを引き上げよう。ゴー、ギラス・ピリピナス!(1日・タイムズ)