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5月19日のまにら新聞から

新証言の中身は?

[ 690字|2008.5.19|社会 (society)|新聞論調 ]

受発注疑惑聴聞会

 ブロードバンド網(NBN)構築事業の受発注疑惑で新証人が浮上した。新証言は、アロヨ大統領夫妻が同事業を受注した中興通信(ZTE)幹部から中国の深 でゴルフ接待を受けたらしい。だが、ピメンテル上院野党院内総務は「遅すぎる証人」に対する上院調査は適切さを欠くという見解を示した。われわれもこの意見に同意する。

 この見解を是とする理由は、大統領府が早々とこの「秘密会合」を認めたからではない。大統領府は、大統領が多忙な中国公式訪問中の息抜きであった点を強調した。大統領にも私的な時間が必要であることは認める。もし大統領が中国企業の大物とゴルフをしたいと公言していれば誤解は生まれなかったはずだ。

 大統領は二〇〇六年十一月一日から三日間、東南アジア諸国連合(ASEAN)・中国首脳会議に出席するため、香港に滞在した。大統領府は、大統領が家族と一緒に過ごすため、香港ディズニーランドを訪問すると説明したので、随行記者団は買い物に走ったのである。実際には、大統領は深 を訪問していた。

 ピメンテル院内総務の見解に話を戻す。深 訪問は大統領がNBN事業疑惑に加担したことを示すには微々たる証拠にすぎない。ネリ前国家経済開発庁長官がすでに上院聴聞会で証言したように、大統領はアバロス前中央選管委員長からの二億ペソのわいろ打診を受けた同長官に同事業承認を指示した。国民の目線では、大統領は汚職で弾劾されているに等しいのだ。

 上院は聴聞会を再開するらしい。前中央選管委員長やいわゆる「強欲」組が会合に同席していたかどうかに関心を持つが、新証人の正体も興味をそそる。(16日・マラヤ)

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