国の自尊心を傷つける
外国人選挙監視団
十四日に投票が実施される統一選挙ではいくつももっと議論されるべき問題があった。選挙システムや有力一族による首長や国選ポストのたらい回し、教会や宗教団体の影響力などもそれらの一つだろう。しかし、今回あまり議論にならなかったが、外国人選挙監視団のフィリピンへの派遣問題についてはもっと情報を共有すべきだと思われる。
今回、我々の選挙を監視するために、米、英、仏、日やシンガポールなど十一カ国から合計二百人以上の外国人が派遣されるという。これら監視団のうち最大規模は、駐比米国大使館が派遣する比在住米国人ら八十六人だという。また、民間組織としては、中央選管から承認を受けたアジア財団(本部は米サンフランシスコ)が二十四人を派遣する予定で、民間レベルでは最大規模となっている。今回このような民間組織七団体が監視員を派遣する。
新聞紙の中にはこれだけの外国人が監視に来ることを歓迎し、自慢すらしている論調も見受けられる。アバロス中央選管委員長は「外国人監視団は投開票の作業を見ることが許されているだけで、投票所に立ち入ることは許されていない。」と説明しているが、監視団は選挙を監視し、報告書を提出すると表明している。
大統領府は監視団の受け入れが駐比米国大使の比選挙に関する懸念表明に応えるものだとしているが、納得のいくものではない。大統領府は外国人の干渉によってではなく、自らのためにクリーンで正直で秩序ある選挙を実施するよう努めなければならないのだ。これら外国人は善良な意図を持っているのだろうが、我々の国としての自尊心を傷つけるものなのだ。(12日、スター、カルメン・ペドロサ氏)