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1月30日のまにら新聞から

パッキャオを大統領に

[ 682字|2006.1.30|社会 (society)|新聞論調 ]

英雄の勝利が与えた影響

 マニー・パッキャオ選手がメキシコのエリック・モラレス選手にTKO勝ちした喜びのあまり、国民は飢えや貧困、ゴンザレス司法長官が明かした政府転覆計画すらも忘れてしまった。国民が狂喜に陥れる薬物を投与されたも同然だ。試合中継の間、交通渋滞はなくなり、犯罪も発生しなかった。パッキャオ選手の試合は社会に大きな変化をもたらした。もし、パッキャオ選手が毎日試合で勝ち続ければ、この国に問題は何も起きないだろう。

 パッキャオ選手の帰国時には、国民は赤絨毯(じゅうたん)を用意して歓迎する。凱旋(がいせん)パレードでは、政治家が次々に英雄をたたえる演説を行い、パッキャオ選手はマラカニアン宮殿でアロヨ大統領と記念撮影し、信頼の言葉を大統領に掛けるだろう。

 試合終了後、大統領はパッキャオ選手に国際電話し、また、政治家たちは声明を出すなどしてこの勝利を祝福した。政争が中断され、全国が英雄の勝利に酔いしれた。

 国民の八割が大統領辞任を求めているが、取って代わる者がいないため大統領退陣を求める民衆革命に踏み切れないでいる。ノリ・デカストロ副大統領はどうか。治るどころか病状は悪化する。エストラダ前大統領?もう結構だ。

 もしパッキャオ選手が相手であれば、国民は8カウント前にアロヨ大統領を追い出してしまうだろう。憲法改正ではなく、大統領を変えるべきなのだ。今選挙を行えば、パッキャオ選手に勝てる者は誰もいない。アロヨ大統領とラモス元大統領が結託しても、勝利を手にすることはできない。英雄パッキャオ選手を大統領にする活動を始めよう。(25日インクワイアラー・ニール・クルス氏)

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