援助パソコン
国家警察、タルラック州の高校から日本援助のパソコン類盗んだ4人組を逮捕
日本政府の無償援助(総額六億ペソ)でフィリピン全国の公立高校に贈られたパソコン類の連続窃盗事件で、国家警察は二十六日までに、ルソン島中部タルラック州の援助対象高校からパソコンなどを盗んだ疑いで、比人男性四人を逮捕、盗品と知りながらパソコン類を買い取った比人男性一人を盗品売買容疑で送検した。他の事件にも関与していた可能性があるとみて余罪を追及している。二年前から続いていた連続窃盗事件で容疑者逮捕は初めて。
調べでは、逮捕されたのは、同州バンバン町、ジェリー・レイエス(37)▽パンパンガ州マガラン町、ステフィンアーキメデス・ムスギ(43)▽同州マバラカット町、フェルナンド・レエサ(33)▽同州サンフェルナンド市、アーネル・サムソン(31)・・の四容疑者。また、盗品売買容疑で送検されたのは、パンパンガ州アンヘレス市でパソコン販売店を経営するジェメルソン・マナロ容疑者。
レイエス容疑者ら四人は、今年一月十七日深夜から十八日未明にかけ、タルラック州タルラック市のアルビンディア・アグソ高校に侵入。パソコン教育用教室の鍵を壊して、パソコン本体二台とモニター十六台、プリンター一台などを盗んだ疑い。
パソコン本体二台とモニター十四台は、事件直後にマナロ容疑者のパソコン販売店へ持ち込み、計一万六千ペソで売却していたらしい。
国家警察は同月二十三日に販売店へ捜査員を派遣、製造番号などを確認した上で店内にあったパソコン本体などを押収した。また、四容疑者の自宅からも、モニター二台やプリンター一台、学校侵入の際に使用されたとみられる工具類や懐中電灯などが押収された。
これらパソコン本体二台とモニター十六台などは同月二十六日、国家警察から高校側へ返却された。
アルビンディア・アグソ高校は、二〇〇三年七月十九日にも同様の窃盗被害に遭い、パソコン本体十八台とモニター一台を盗まれた。同校には計二十組のパソコン・セット(本体とモニターなど)が贈られており、二回の窃盗事件で援助パソコンのすべてを失っていた。
レイエス容疑者らは一回目の窃盗事件への関与を否定している。
援助パソコンを狙った連続窃盗事件は〇二年一月から〇三年十二月にかけ、ルソン島の七州二十四校で起きた。今回、同容疑者らが逮捕されたことで、窃盗事件が今年に入ってからも再発していたことが分かった。
日本政府の援助事業は「公立高校のためのパソコン・プロジェクト」で、第一期(〇二年一月・〇三年六月)と第二期(〇四年・〇五年)からなる。第一期では、パソコン・セット二万組が全国の公立高校千校に贈られた。第二期(援助総額五億八千四百万ペソ)では、一万一千組が高校千百校に支給される。