ハロハロ
国軍の一部将兵による不穏な動きが伝えられていたが、クーデターや反乱にまで結びつくとはちょっと意外な展開という気がしたのも事実である。軍の若手有志がそこまで思いつめていたのか。まだ、この国にも救いがあると思った人も多いかもしれない。
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反乱軍が軍幹部の腐敗、とりわけイスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)への武器、弾薬横流し容疑などを指摘しているが、政府役人、警察、司法と汚職まん延のこの国で軍隊もまた、例外ではなかったということだろう。しかし、ホテルを占拠した反乱軍は宿泊客をすぐ解放するし、非常に穏やかな行動で、いかにもフィリピンらしさを感じさせる。
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昭和十一年の反乱事件、2・26事件を思い起こすが、あの時は首相官邸に反乱軍が乗り込み、、ときの首相殺害を企てた。反乱の規模ももっと大掛かりだったようだ。反乱軍将校はのち、処刑されたが、ここではクーデター未遂を起こした元軍人が上院議員に納まったりしている。どんな形で収れんしていくのか、比流解決法が見ものだ。(紀)