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4月14日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 423字|2003.4.14|社会 (society)|ハロハロ ]

 「推定無罪」というが、フィリピンの裁判、特にレイプなどの親告罪の公判は「推定有罪」を前提に審理が進む。日本では公訴を提起する側、つまり検察側が証言、証拠を積み上げて罪の立証を図る。ところが比では逆。訴えられた側が「やられた」という被害者の証言を否定しなければならない。

 当局の捜査能力不足が裁判の証言重視傾向に拍車をかける。「やった」「やっていない」の水掛け論で終わればいいのだが、事は裁判。被告は当事者しか知り得ない「密室の行為」がなかったことを立証しなければならないからしんどい。日本人被告にとっては言葉の壁というやっかいな要素もある。

 法廷で若い女性が泣いて訴えれば「かわいそうに。被告は何て非道なヤツだ」と思うのが人情。そういえば、「イラクは大量破壊兵器を持っている。フセイン大統領は悪いヤツ」と国際世論に訴えた大国があったが、肝心の兵器はいまだ見つからず。武力行使の向こう側には「推定有罪」という四文字がチラチラ?(酒)

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