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3月17日のまにら新聞から

暴走する米大統領

[ 704字|2003.3.17|社会 (society)|新聞論調 ]

イラク攻撃問題

 米国主導によるイラク攻撃への批判が高まる中、カーター元米大統領はこのほど、「軍事攻撃の説得力ある根拠を示していない」と発言した。昨年のノーベル平和賞受賞者である元大統領は「直接的に安全を脅かされていないにもかかわらず行動を起こすのは前代未聞だ」と指摘、軍事作戦により、中東地域の安定が脅かされテロ活動が活発化すると警告している。

 元大統領のほかにも、世界の多くの指導者が攻撃に反対している。だが、現在はっきりしているのは無敵の戦争マシンを操れるブッシュ米大統領を抑制する手だてがないことだ。湾岸戦争で元大統領の父親がやり残した戦争を終わらせることに何の疑いも感じていないようだ。

 米大統領は、抑圧的なイラクのフセイン政権交代と大量破壊兵器の破棄の必要性を主張しているが、なぜイラクだけなのだろうか。北朝鮮や米国が持つ核兵器は問題ないというのか。米国民でさえ攻撃に正当な理由があると考える者は半数に達していない。ある調査によると、イラク攻撃には十分な根拠があると考える米国民は四七%で、ほぼ同数の四四%が根拠はないと答えている。さらに別の調査では、国連の支持なしの武力行使に賛成は四九%、反対は四七%に達している。

 反戦の気運は世界中に広がっている。英国はブレア首相が攻撃を支持しているが、国連決議なしの攻撃に賛成する英国民は一五%だけだ。

 しかしブッシュ大統領には世界の人々の反対の声は耳に入らないようだ。「国連決議なしでもイラクを攻撃する」とまで公言している。おそらく米国は何が何でも攻撃をやり遂げるつもりなのだろう。二十一世紀になっても「力は正義なり」と言うことか。(12日・インクワイアラー)

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