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11月11日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 456字|2002.11.11|社会 (society)|ハロハロ ]

 八〇年代末、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を取材した際、平壌市内の小学校を訪問したら、子供たちが美しいハーモニーの合唱で迎えてくれた。伝統的民謡か何かだろうと思って後で曲名を聞いて、驚いた。「主席さま、ありがとう」と、金日成主席(当時)をたたえる歌だった。

 北朝鮮では完全に国家体制に洗脳されていると思わなければならないだろう。(実は戦争中のわれわれ世代もそうだったのだが)。

 帰国中の拉致家族にとって子供たちのことが一番、心配だろうと思う。かなり高水準の教育を受けているようだから厄介だ。日本帰国後の適応ケアは重要だが、その前にそこに至る過程が問題だろう。

 日本への一家を挙げての帰国については「(家族で)じっくり話し合いたい」と拉致家族は言い始めている。拉致という不当な扱いを受けたとはいえ、その国での暮らしが長い歳月を刻んでいる。そんな「歴史」を一気に飛び越えて「原状復帰」にこぎつけるのは、国同士の話し合いとは別して難問だと思う。二十四年という月日の重さをあらためて考えてしまう。(紀)

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