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10月21日のまにら新聞から

国民の協力が必要

[ 728字|2002.10.21|社会 (society)|新聞論調 ]

連続爆破テロ事件

 マカティ市のエドサとアヤラの両通りが交差する高架道路で手りゅう弾が爆破する事件が起きた。警察当局は携帯電話の文字メールで出回った爆破予告の対応に追われる一日となった。爆破事件の続発で、ペソが十四カ月ぶりの安値を記録したり、イギリスの人気ロックバンド「オアシス」のコンサートが中止されたことは驚きではない。フィリピン人がテロの危険にさらされていると感じ始めるのも時間の問題だろう。

 約百九十人の死傷者を出したインドネシア・バリ島でのテロ事件によっていかに観光産業がダメージを受けたのかをわれわれは知った。去った観光客の多くが「再び訪れない」と語った。幸いにもフィリピンではこれほどひどいテロ事件は起こっていないが、イスラム過激派、アブサヤフが二〇〇〇年にマレーシアのリゾート地、シパダン島から外国人観光客を拉致した事件以来、比国内の観光産業は低迷したままだ。

 サンボアンガ市のショッピングセンターで起きた爆破テロはアブサヤフ、モロ・イスラム解放戦線(MILF)、ジェマ・イスラミヤによる共同犯行の可能性がある。さらに国軍や共産ゲリラの関与も指摘された。どの組織がテロを実行したにせよ、当局は簡単に圧倒され得る。爆破事件の前から、警官や軍人の数は地域の治安を保つのに不十分だったし、警備員もテロ対策が完全ではなかった。

 今後テロを防ぐには国民の協力がより必要になるだろう。私たちは隣人を知り、自分が住む地域の取り締まりに手を携えねばならない。公共の場所では、普段よりも警戒し、不審な荷物や人物に気を配りたい。これらの行動は被害妄想者のようであるが、私たちはさまざまな恐怖に直面しているのだ。みんながテロを失敗させる役割を担っている。(19日・スター) 

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