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5月27日のまにら新聞から

次世代に負担引き継ぎ

[ 705字|2002.5.27|社会 (society)|新聞論調 ]

PPA減額問題

 上下両院は、国家電力公社が消費者から徴収している電力購入調整料金(PPA)の支払い一部免除などを盛り込んだ電力事業改革法の改正法案の成立を急いでいる。

 議員らは、特に貧困者に対する「配慮」の度合いを競い合っている。両院の法案にはそれぞれ一カ月七十五キロワット時以下、同百キロワット時以下の消費者を対象にしたPPAの支払い免除や、一年ないし三年間のPPA支払い延期などが盛り込まれた。一方で、左派系団体はPPAの全面撤廃を求めている。

 しかし、消費者が支払う電気料金の内訳が複雑な上、問題解決を急ぐあまり、「フィリピンの電気代がアジア地域で日本、香港に次ぎ高い」という主要な問題を見失っている。

 当初、国内最大の配電会社であるマニラ電力に、高い電気料金に対する国民の憤りが集中していた。だが、同公社は民間の発電会社から配電されていない電力の支払いまで消費者に負担させ、それが電気料金の半分以上を占めている実状を知り、怒りの矛先が同公社にも移った。さらに、世界銀行が「国内の電力供給能力は十分」と評価した後でも、政府は新たな民間発電会社との契約を結んでいたことも判明している。

 今、国会では、PPA支払い免除の検討や同公社と発電会社の契約内容の調査が進められている。しかし、これらの動きが本当に電気代を下げる結果につながるのか。残念なことに、答えは否。短期的には減額されたようにみえるが、支払い期間が引き延ばされるだけ。長期的にわたって消費者を苦しめることになる。われわれの子供や孫が、今消費している電気料金の支払いを負担することになるだろう。

(25日・インクワイアラー、ソリタ・コリャスモンソッド氏)

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