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5月13日のまにら新聞から

海外でチャンスつかめ

[ 712字|2002.5.13|社会 (society)|新聞論調 ]

OFWの英語力問題

 海外労働者福祉局(OWWA)のソリアノ局長はこのほど、国際労働市場でフィリピン人海外就労者(OFW)の英語力が相対的に低下していると語った。今日、英語が話せるということは世界中で高収入の仕事が得られるという意味を持つが、他国の労働者の英語力はフィリピン人に肩を並べつつあり、現在、何百万人というOFWが言語能力の低下から失職の危機にあるという。

 OFWが世界で活躍できたのは、英語力によるところが大きかった。だが、現在はデンマークのタクシー運転手から日本人ビジネスマンまで、世界中の人々が必死で英語を学んでいる。

 フィリピンでは米国の植民地となった百年前から英語教育を行ってきた。タガログ語(フィリピノ語)を国語と定めるより早かった。だが、独立後、「反フィリピン的」という理由で、英語が堪能であることに否定的な見方をする傾向が出てきた。

 英語とフィリピノ語を同時に教えるという政府の間違った「バイリンガル」教育政策はこうして七〇年代から始まった。この政策は今日でも広く実施されているが、両方の言語を満足に話せない学生を生み出しているだけである。また、同時に起こった民族意識の高揚で、フィリピノ語を国民統合の手段としようとの動きが起こり、英語に変わって普及した。

 自国固有の言語を大切にしなければ国としてのアイデンティティが脅かされるという懸念は理解できる。だが、好むと好まざるとにかかわらず、現在の国際社会では、英語を学ぶことは必要最低条件になりつつある。

 今や英語はエリート言語ではなくなった、経済の国際化の中で貧困層の人々が海外でチャンスをつかむための手段なのだ。(8日・スタンダード、ジョホ・ロベレス記者)

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