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3月11日のまにら新聞から

再び大きな脅威へ

[ 705字|2002.3.11|社会 (society)|新聞論調 ]

独立目指すMILF

 国軍情報筋によると、イスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)がミンダナオ島中部で戦力の立て直しを図っている。エストラダ前政権時に国軍が多大な犠牲を払って陥落させた最大拠点、アブバカール基地など四十五の拠点を奪回するのが目的という。

 この情報は、政府とMILFの間で締結された停戦協定がMILFを利しているだけということを証明している。しかし、政府や国軍はMILFがイスラム独立国家を樹立するのを放棄したと信じている。あまりにも世間知らずというべきだ。

 MILFは現在、新兵の勧誘キャンペーンを行っており、イスラム教徒だけでなくキリスト教徒にも入隊を呼び掛けているという。兵力はすでに一万五千人にまで回復、さらに増強を図っているもよう。前政権下における国軍のせん滅作戦で分離・独立運動は一時、下火になっていた。しかし、MILFは独立国家樹立の夢をまだ、捨ててはいない。  

 MILFとイスラム過激派、アブサヤフは名前が違うだけで実は同じ組織だということをご存知だろうか。ミンダナオの住民はこれを知っている。アブサヤフ掃討を兼ねた合同演習中の比米両軍が演習地のバシラン州にあるMILF拠点へ侵入した場合、「反撃する」と警告したこともこの証明となっている。

 これらの事実にもかかわらず、政府は「和平交渉」という名の下にMILFを甘やかしている。監視役のドゥレサ大統領顧問(ミンダナオ地方担当)やエルミタ大統領顧問(和平交渉担当)もミンダナオ島の実状をよく分かっていないようだ。MILFを軽く見ないほうがよい。彼らは国家の安全保障に対する大きな脅威なのだ。(6日・スタンダード、エミール・フラド氏)

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