ハロハロ
約三十年ぶりにこの国を訪れたと言うと必ず感想を求められる。答えは「太った人が増えた」。実際、体格の良い?人士がやたらに眼につく。一九七〇年台初頭、人々はもっとやせていた。貧しい状況に変わりはないとはいえ、栄養状態は相当改善されているのではないか。
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先進国のみならず中国やインドネシアのような国でも、肥満が都市化とともに進行、いまや世界的流行病化していると、気鋭の評論で知られるレスター・ブラウン米ワールドウォッチ研究所理事長が指摘している(一月二十八日付け読売新聞)。同氏は、多くの疾病に直結する肥満の防止にはカロリー制限はもちろんだが、現在の車社会向けの道路、駐車場優先の「都市」をジョッギング、ウォーキング、サイクリング向けの道路、公園、運動場の拡大へ方向転換させないと肥満増大、健康悪化が進行すると警告している。
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マニラ首都圏もウォーキングには不適だ。歩道は整備不充分だし、排気ガスがひどくて歩行者はハンカチで鼻、口を覆っている。散歩も難しいとなると、どういう手を打つか。せり出し始めた腹をさすって困惑している。(紀)