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10月1日のまにら新聞から

テロを機に基盤造りを

[ 704字|2001.10.1|社会 (society)|新聞論調 ]

観光業界の低迷

 米中枢同時テロの影響で、航空便の予約取り消しや休暇を安全な時期が来るまで延期する動きが出ている。米国の航空産業では何千人もの失業者が出そうだ。同時テロの影響を受けているのは航空産業や保険業界だけではない。多くの国で最大の収入源の一つになっている観光産業にも、暗雲が立ち込めている。

 この事態にもかかわらず、わが国の観光省職員は年末には観光客は戻ってくると楽観的だ。また、テロの対象となる可能性があり、観光客が恐れる地域の代替地として同省職員はフィリピンが選ばれると信じているという。

 しかし、今回の同時テロが発生する前からフィリピンの観光産業はずっと不振に悩んできた。昨年にはイスラム過激派、アブサヤフがマレーシアのリゾートを襲撃し、スルー州ホロ島に外国人を含む人質を長期監禁した。事件が解決する前に、今度は前大統領の汚職に端を発した政治危機が発生、その余波が続いている間に、再びアブサヤフがパラワン島のリゾートを襲撃した。

 そして現在、さらに大きな頭痛が観光産業を襲っている。同時テロの最重要容疑者ウサマ・ビンラディン氏と関係を持つテロ組織が存在する国の一つに、フィリピンが挙げられている。もちろん、このテロ組織とはアブサヤフのことだ。

 しかし、政府は不況にあえぐ観光産業を支援するため、この際①観光インフラの整備②サービス向上に向けた訓練プログラムの提供③観光客誘致に向け積極的なキャンペーン︱︱などを実施すべきだ。

 これらと合わせて、政府は平和と秩序回復に向け万全の措置を講じなければならない。このような努力を重ねることにより、観光業界は同時テロが起こる以前の状態に戻ることができるだろう。

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