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9月10日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 469字|2001.9.10|社会 (society)|ハロハロ ]

 拙宅の前庭で萩が咲き出した。折り重なるように伸びる枝の先々に小さな花をつけ、その回りを紋黄チョウが舞っている。まさに「小さな秋見つけた」といった風情だ。萩は、薄(ススキ)葛(クズ)撫子(ナデシコ)女郎花(オミナエシ)藤袴(フジバカマ)桔梗(キキョウ)とともに秋の七草の一つ。秋の季語でもある。

 その萩が、マカティで紅紫色の花を咲かせたのには感動した。気温に多少の変化はあっても年中、暑いだけとしか思えない常夏の地。そこで微妙な季節の移り変わりを感じ取る自然界の営みに対する驚きでもあった。

 「それにしても」︱︱。生活の句読点になり、庶民の文化形成に大きく関わっている日本の四季は素晴らしいと思う。例えば、同じような和菓子でも、秋は「お萩」、春は「ぼた餅」と、季節で呼び方が違う。「赤小豆をまぶしたところが牡丹(ぼたん)の花に似ている」「煮た小豆を粒のまま散らしかけたのが、萩の花のみだれて咲くさまに似ている」と「広辞苑」で説明されている。今夏、日本の暑さは厳しかったようだが、「暑さ寒さも彼岸まで」。秋の彼岸は間近い。(濱)

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