台風ヨランダ(30号)
大統領、停電復旧作業に関連して辞意表明したエネルギー長官の辞表を受理せず
台風ヨランダ(30号)被災地の停電復旧をめぐり、ペティリア・エネルギー長官が辞意を表明した問題で、アキノ大統領は26日、同長官の辞表を受理せず、「問題はまだ多い。(進退の話を)今、すべきではない」と留任させた。
ラシエルダ大統領報道官によると、ペティリア長官は同日午後、マラカニアン宮殿で大統領に辞表を提出しようとした。
これに対し大統領は、一部発電所の稼働が停止するなど困難な状況下、①被災した320自治体のうち、317自治体の中心部で停電を復旧させた②通常、3〜6カ月を要する復旧作業をわずか約40日間で完了させた︱︱などを高く評価し、「優秀な公僕から職を取り上げるつもりはない」と留任を伝えた。
「身内に甘い」などの批判を想定してか、「他国の被災地と比較して電力関連インフラの復旧作業は速かった、との評価を外国人オブザーバーから得ている」と付け加えた。
ペティリア長官は被災10日後の11月18日、ビサヤ地方レイテ州パロ町を訪れた際、「クリスマスまでに、被災した全自治体の停電を復旧させる。できなければ辞職する」と表明した。結果的に、東サマール州内の3町で復旧が間に合わなかったため、25日に辞意を表明した。
大統領から留任を伝えられた同長官は「問題山積の今、(辞任の)公約を守れば、電力事情をさらなる危機に陥らせるだけと(大統領に)言われた。辞職は、問題を解決した後にしたい」と説明。その上で、停電復旧に職を賭した理由を「(被災地を訪問した)当時、絶望的な状況に置かれた人々に、クリスマスまでに停電が復旧するという希望を与えたかった」と述べた。