世界59位に上昇 経済自由度ランキング
カナダのシンクタンクによる2024年版世界経済自由度ランキングで比が59位と前回比9ランク上昇
カナダに拠点を持つシンクタンク、フレイザー研究所は16日、世界の165カ国・地域を対象にした経済自由度に関する2024年次報告書を発表した。それによると、フィリピンの経済自由度指数は10段階評価中の7・01となり、調査対象国中59位と前回の68位から9ランク上昇した。16年の同調査での57位以来、8年ぶりの高い評価だった。17日付英字紙ビジネスワールドが報じた。
同報告書の主要な評価項目は「政府の規模」や「法制度と財産権」、「通貨の健全性」や「国際貿易の自由度」、そして「規制」の5分野からなる。世界各国の直近で入手可能な22年のデータを基に五つの評価項目ごとに10点満点で評価し、平均値を指数として表しランク付けしている。
比は「通貨の健全性」で9・04ポイントと5分野の中で最高評価を得ており、165カ国中の11位とかなり上位にランクされた。しかし、逆に「法制度と財産権」では4・51ポイントと低評価にとどまっているが、前回調査時の4・49ポイントからは若干上昇している。
また、「政府の規模」の項目については、比は7・83ポイントと前回の7・91から若干下落し、やや低い評価にとどまった。特に下位項目である「政府の消費」で6・91ポイントと低く、「政府投資」は8・83ポイントだった。フレイザー研究所は報告書で、「この結果から得られる教訓は明らかで、小さな財政規模の政府では繁栄を確実に得るのには十分ではないということだ」と述べ、政府財政が比の弱みの一つであることを強調した。
さらに、比の「規制」項目での評価が6・51ポイントとなっており、前回調査の6・62ポイントからさらに下落した。下位項目では「ビジネス規制」が4・59と低く評価されたのに対し、「信用マーケット」が8・27と高く評価されている。
今年度報告書で経済自由度がトップだったのは香港(8・58)。2~10位はシンガポール、スイス、ニュージーランド、米国、デンマーク、アイルランド、カナダ、オーストラリア、ルクセンブルグだった。
また、11~14位には日本、台湾、マレーシア、韓国とアジアの国や地域が入った。比は東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国の中ではシンガポール、マレーシアに次いで3番目で、ブルネイ(総合スコア6・99)、インドネシア(同6・96)、タイ(同6・94)、ベトナム(同6・23)などを上回った。(澤田公伸)