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8月30日のまにら新聞から

中進国入り後の協力を議論 14回比日経済協力合同委員会

[ 1042字|2023.8.30|経済 (economy) ]

ジョクノ財務相ら経済閣僚が訪日。岸田首相を訪問し、比日経済協力合同委員会会合に出席

岸田首相を表敬訪問した比代表団=28日、比外務省提供

 ジョクノ財務省、パガンダマン予算管理相、バウティスタ運輸相、ウイ情報通信技術相、バリサカン国家経済開発長官など経済閣僚や高官からなる訪問団が28日から29日にかけ日本を訪問した。28日には今年中の比訪問を予定する岸田文雄首相を表敬訪問。29日には明治記念館で開かれた第14回比日経済協力インフラ合同委員会会合に臨んだ。

 合同委員会会合で両者は、2025年までに比が上位中所得国(中進国)入りを果たした後の経済協力も議論。投資を呼び込む「民間資本導入型」の無償資金協力や、日本の強みを活かした協力メニューを提案する「オファー型」などの経済協力の選択肢について意見を交換した。 

 会合でジョクノ財務相は、ODAの中でも日本企業の技術を導入する「本邦技術活用案件(STEP)」について「日本のODAを可視化し、日本の最先端技術とノウハウを活用できる譲許的枠組みだ」として、引き続き積極活用していく意向を表明した。STEPは首都圏地下鉄建設事業にも活用されている。

 さらに同相は、「現在28の日本ODA借款事業が実施されており、中でも南北通勤線延伸事業、首都圏鉄道3号線(MRT3)再整備事業など重要鉄道事業に計3944億円の資金供与をしてもらっている」として感謝を表明。今後も様々な形態の協力を通じて今後も日本が比の強いパートナーでい続けてほしい」と述べ、中進国入り後を見据えた協力継続に期待を表明した。

 両国代表は、インフラ協力のほか、海上保安能力の向上、ミンダナオ和平プロセスなどの案件が着実に進展していることを確認。クラーク、スービック両経済特区を含む地方の開発、情報通信、エネルギー移行、防災などの分野でも協力を推進していくことで一致した。

 同合同委員会は2017年に故安倍晋三元首相が比を公式訪問した際、ドゥテルテ前大統領=2016年就任=に対し、5カ年で1兆円の経済協力とともに設置することで合意した。両国閣僚が経済協力の実施状況を定期的にレビュー、協議する同合同委員会を通じて両政府は目標額以上の協力の実施に成功した。

 岸田首相は今年中に比を公式訪問することが決まっており、その際に安倍元首相の前例を踏襲して中期的な支援パッケージを提案するかどうかも注目ポイントとなる。

 比外務省によると、比が日本から供与を受けているODAは無償・借款合わせて129億2000万ドルで、日本は比のODA構成の40・5%を占める最大援助国となっている。(竹下友章)

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