首都圏物価6%上昇 10月、14年ぶりの高水準
10月の首都圏での小売価格上昇率は6.0%。2008年11月の6.8%に迫る高水準
フィリピン統計庁によると、10月の首都圏における小売価格の上昇率は6%で、前月の5・9%と前年同月の2・1%を大きく上回り、2008年11月の6・8%に迫る約14年ぶりの高水準だった。特に食料品が前月の8・6%から9・5%へ大きく上昇した。23日の英字紙ビジネスワールド電子版が報じた。
品目別では、飲料やたばこが前月比0・1ポイント増の7%。燃料を除く非食用原材料が同0・2ポイント増の3・1%。動植物油脂を含む化学品は同0・1ポイント増の3・6%、その他の製造品が同0・1ポイント増の1・3%だった。
一方、鉱物性燃料、潤滑油などの上昇率は前月の同25・5%から同17・3%に低下した。また、機械・輸送用機器は1・1%、素材別製造品目は3・4%となった。
1~10月期の平均物価上昇率は4・1%で、前年同期の1・9%から2倍以上になっている。
チャイナバンクのチーフエコノミスト、ドミニ・ベラスケス氏は「高止まりするインフレの第2波の影響で小売価格は上昇を続けている。国内生産の不足や輸入の遅れにより砂糖価格が高騰し、飲料価格を押し上げている」と分析。今後も小売価格は上がり続けると予測する。
またユニオンバンク・チーフエコノミストのルデン・アスンシオン氏は需要の高まりと輸入品によるインフレが小売価格を押し上げていると説明。「今後数カ月間、同じ要因で指数を観察する必要があるかもしれない。一方、中央銀行が示すように金利上昇と需要の減衰による影響も出てくる」と付け加えた。(沼田康平)