「生活の質改善する」44% 4月、前回から3ポイント減
SWS調査で「今後1年で生活の質が改善する」との回答が44%。前回調査から若干減少
世論調査会社ソーシャル・ウエザー・ステーション(SWS)が4月下旬に成人1440人を対象に実施した「今後1年で生活の質が改善すると思うか」と尋ねた聞き取り調査で、全体の44%が「改善する」と答えた。「悪化する」と答えた割合は約4%で、「改善する」から「悪化する」を差し引いた割合が39%となり、2021年12月期の前回調査時における同42%に比べると若干落ち込んだ。ロシアのウクライナ侵攻などによる国際社会の不透明感の強まりや原油価格の高騰に端を発したインフレ率高騰などが回答に影響している可能性がある。
同調査によると、「現状維持」と答えた割合が39%で、残り13%は「無回答」だった。「改善する」から「悪化する」を差し引いた割合はコロナ禍前の2019年12月期には44%だったことから、やはりコロナによる感染拡大以降、将来の生活の質に対する不安は依然、残っていると思われる。
しかし、コロナ禍によるロックダウン直後の20年5月に実施された同じ調査では「改善する」から「悪化する」を差し引いた割合はマイナス19%と過去最低水準に落ち込んでおり、その時点に比べるとかなり改善された状況が続いている。
SWSの生活の質に関する見通し調査は、ほぼ四半期ごとに実施されており、1984年の調査開始以来、これまでに144回分の結果が発表されている。このうち「改善する」から「悪化する」を差し引いた割合がマイナスとなったのは11回のみだったという。
今回の調査は、4月19~27日にかけて、首都圏とそれ以外のルソン地方、ビサヤとミンダナオ地方の18歳以上の成人それぞれ360人ずつ、計1440人に対面方式で聞き取り調査を実施した。(澤田公伸)