18年11月以来の高水準 5月インフレ率5.4%
統計庁は5月のインフレ率が5.4%になったと発表。18年11月以降では最高の水準に
統計庁は7日、5月のインフレ率が5・4%になったと発表した。2018年11月に6・1%を記録して以降、最高の水準。今年1~5月の平均インフレ率は4・1%となり、政府目標(2~4%)を上回った。首都圏が4・7%だった一方、首都圏以外の地域は5・5%だった。
項目別物価上昇率では「個人用車両の運用費」が最大の47・9%。ついで、トウモロコシが24・4%、「電気、ガスおよび燃料」が18・8%、野菜15・2%、食用油脂が13・6%などとなった。ウクライナ危機による燃料価格、肥料価格の上昇が反映された格好だ。
7日の英字紙スターによると、オランダを拠点とするING銀行マニラ支店のマーパ上席エコノミストは、供給網の混乱と国内需要の急回復を考慮すると「インフレ傾向は向こう数カ月続くだろう」と予測した。
一方、チャイナ・バンク・コーポレーションのバラスケス主席エコノミストは物価高による家計消費抑制効果を指摘。「非必需的な商品・サービスへの支出が抑制されるため、今年後半の物価上昇は緩やかに進むだろう」とした。また、中銀の金融政策については「経済成長を重視し、利上げペースは緩やかになるはず。これによって国内消費は適度に調整され、外需も次第に弱まるのでは」と予想した。(竹下友章)