政府債務12兆7600億ペソ 財政健全化は「次期政権次第」
財務省によると、4月末時点の政府債務残高は前月比834億ペソ増の12兆7600億ペソ
財務省は2日、今年4月末時点の政府債務残高が前月比834億ペソ増の12兆7600億ペソとなったと発表した。ドゥテルテ大統領就任時(16年6月末)に5兆9480億ペソだった政府債務は6年で2倍以上に膨らみ、過去最大を更新し続けている。
債務増加要因について同省理財局は「政府債務発行の純増とドルに対しペソが減価したため」と説明。ペソ安による対外債務増加幅は18億4000万ペソとなった。
21年末と比較すると、政府債務残高は7654億4000万ペソ増加、増加率は9・4%となっている。
▽計画は策定済み
アンダナー大統領報道官代行は2日の声明で「現政権の経済閣僚は既に公正で効率的な財政健全化計画を策定した」と説明。その一方、「この計画を実施するかどうかは次期政権次第」とした。
同計画は、コロナ対策で発生した3兆2000億ペソの債務を返済するため、個人所得税の減税延期や付加価値税(VAT)の免税措置撤廃を通じ、年間2478億ペソの税収増を目指している。
また、カンダ現予算管理相は会見で「次期政権は増税を断行するべきだ」と指摘。その上で、ジョクノ次期財務省が増税に慎重な姿勢を示していることに触れ「増税しないなら、経済の完全な再開を急ぐべきだ。国民の所得が増加すれば、所得税収も増える」と訴えた。
ジョクノ次期財務省は先月末、比の税収弾性値(経済成長率に対する税収増加率の比)は「十分に弾力的」と指摘。6~7%を維持すると予想される将来の経済成長率と、それ以上の割合で増加する税収により「政府債務対国内総生産比を一定の水準に保ち、財政を持続可能な形で管理することは可能」としている。(竹下友章)