最新技術取り入れ魅力広める WTTCジャパン・カンファレンス
WTTCグローバルサミットでジャパン・カンファレンスが開催され、国際イベントの告知や今後も日本の魅力を広めるツーリズムプランなどが紹介された
世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)主催のグローバルサミット最終日の22日、ジャパン・カンファレンスがパサイ市のマリオットホテルで開催された。観光庁の金子知裕国際観光部長や日本政府観光局(JNTO)の渡部誠マニラ事務所長、WTTC新副会長を務めるJTBの高橋広行取締役会長などが登壇した。
金子同部長は、世界中で旅行で行きたい国リストに常にランクインする日本において、新型コロナの影響もあり、アウトドアアクティビティの需要が高まっていることに言及。都心部だけでなく地方でも、より高いレベルの宿泊施設などが求められているとし、「キャッシュレス払いやツーリスト・インフォメーションの充実など、AI技術も取り入れながら観光客のストレスやフラストレーションを軽減するためのシステムを整えていく」と述べた。
一方、日本の入国制限やビザ発給について、引き続きコロナの感染状況に左右されるため、観光客への門戸が完全に開く時期を現時点で明確に示せないもどかしさも伝えながら、「門戸が開くときに向けて着々と準備を進めている」とした。
渡辺所長は今後の展望として、豪華で贅沢なラグジュアリー・ツーリズム、自然や文化体験などのアドベンチャー・ツーリズム、地元経済の活性化なども視野に入れた持続可能性のあるサステナブル・ツーリズムの3つに焦点を当てて日本の魅力を広めていくプランを紹介。配布資料では酒造ツーリズム事業が紹介され、各ツーリズム案の具体的なプランも今後発表されるという。
カンファレンスでは、今年9月22~25日に東京で開催予定のツーリズムEXPOジャパン2022をはじめ、北海道で開催予定のアドベンチャートラベル・ワールドサミット2023などの国際イベントも告知された。金子部長は2025年日本国際博覧会(大阪万博)を「日本の他の地域に訪れてもらうきっかけとしても最大限生かしたい」とし、「関西空港から空飛ぶタクシーを飛ばせたら」と最新技術への期待を語った。
▽比特産品販売も
マリオットホテル内の会場の外には、サミット開催中の3日間限定で、マンゴージャムやピリナッツチョコレートなどフィリピン各地の特産品を使ったブランドのポップアップストアが並んだ。カビテ州のコーヒーブランド「ザ・コーヒー・エステート」オーナーの妹で店頭に立っていたレイス・デスースさんは、このサミットによる観光客誘致の中で、「フィリピンにたくさんの素晴らしい特産品があることだけでなく、その品質も大切にして商品を作っていることを広く知ってもらいたい」と笑顔を見せ、誇らしげにコーヒーの試飲を勧めていた。(深田莉映)