外資規制を大幅に緩和へ 大統領が改正法に署名
大統領が外資規制を大幅に緩和する公共サービス法改正法に署名。規制される公共サービスは5事業に
ドゥテルテ大統領は21日、「公共サービス」の定義を5事業に限定することで、それ以外の通信や鉄道などこれまで公共サービスに含まれていた幅広い事業に対する外資規制を撤廃する「公共サービス法改正法」に署名した。全国紙などに公示された後に発効する。
大統領は署名式典で「本法を通じて外資規制が緩和されれば、これまで以上のグローバル投資家を誘致でき、いくつかの公共サービス部門における近代化が進み、生活に不可欠なサービスの提供が改善される」と利点を強調した。また、「フィリピン人のさらなる雇用拡大が期待できる」とも述べた。
同改正法により、外資規制対象となる公共サービスは①送配電事業②上水道の配水・送水および下水事業③石油製品向けパイプライン輸送事業④港湾事業⑤車両を使った路上旅客運送事業──に限定される。
この5事業に含まれない通信、空港、鉄道、高速道路、海上輸送などの事業は今後、「公共サービス」とはみなされず、公益事業の国内資本比率を「60%以上」と義務付けた1987年憲法第12条11項の対象外となり、外国資本100%の出資が可能となる。
ドゥテルテ大統領は3月初めに、国内における外国人投資家の事業活動に関する要件を緩和することなどを盛り込んだ外国人投資法改正法(共和国法第11647号)にも署名したばかり。また、今年1月には外資100%の小売業者の最低払い込み資本金を大幅に引き下げることなどを盛り込んだ小売自由化法改正法にも署名している。
フィリピン日本人商工会議所も加盟する外国人商工会議所連合は2月3日、公共サービス法改正法が議会で成立した際に声明を発表し、同法が外国投資法改正法および小売自由化法改正法と共に「ランドマークになる」と歓迎。また、「シンガポール、タイ、ベトナム、インドネシアの政策とも一致し、東南アジア諸国連合の包括的投資協定に沿っている」と比が東南アジアのスタンダードに追いついた点を高く評価していた。(澤田公伸)