来月13日から比で第1弾試験 介護・外食など特定技能
新在留資格「特定技能1号」で、4月中下旬に比と日本で技能試験実施へ(時事)
外国人就労拡大に向けた新在留資格「特定技能1号」をめぐり、制度を導入する4月に第1弾として行う技能試験の全容が判明した。期日は同月中下旬で、場所はフィリピンと日本国内。当初検討対象に挙がったベトナムでの実施は当面見送る。政府関係者が21日、明らかにした。
特定技能1号の対象となる14業種のうち、先陣を切って4月に試験をするのは介護、外食、宿泊の三つと決定済み。実施場所は技能実習生の受け入れ実績や業界団体の意向を踏まえて選んだ。残り11業種は5月以降となる。
比で行うのは介護業の試験で、4月13、14両日に首都マニラで実施。年6回程度を予定し、介護分野特有の語彙(ごい)力を測る日本語試験も併せて課す。
日本国内の人手不足が深刻な介護は、制度開始後5年間の最大受け入れ規模が14業種中最多の6万人と見込まれている。
一方、外食業は同25日に東京と大阪で、宿泊業は同14日に札幌、東京、福岡など全国7都市で技能試験を行う。使用言語は日本語で、年2回程度を想定している。
3年間の技能実習を修了した外国人は、試験を受けずに特定技能1号に移行できる。ただ、介護、外食、宿泊の3業種は4月時点で移行可能な実習制度がないため、試験を急いだ経緯がある。
ベトナムでは4月に介護業と外食業で実施が検討されていた。しかし、日本政府との間で悪質な仲介業者排除に向けた協力覚書が結ばれていないなどの事情があり、先送りとなった。
特定技能には即戦力となる1号と、より熟練した技能が求められる2号の2種類がある。2号は14業種のうち建設業と造船・舶用工業が対象で、2021年度に試験を新設する。(時事)