2月のインフレ率3.8% 物価落ち着き取り戻す
比統計局が2月のインフレ率は3.8%だったと発表。昨年同月の水準に低下
フィリピン統計局(PSA)は5日、2月のインフレ率は1月の4・4%から0・6ポイント低下し、昨年2月と同様の3・8%まで低下したと発表した。
物価が落ち着きを取り戻した理由として統計局は、政府が推し進めたコメ輸入自由化政策の効果を強調。今後もコメの完全輸入自由化で19年中に0・5〜0・7ポイント、20年中に0・3〜0・4ポイント物価上昇が抑えられるとしている。食料や衣料品などその他の商品全般の価格も落ち着きが確認されているという。
インフレ率は昨年9月と10月に6・7%まで急騰していた。通年で見てもドゥテルテ大統領就任前の15年の上昇率は0・7%だったが、16年に同1・3%、17年に同2・9%となり、18年には5・2%へと急カーブで上昇していた。しかし、中央銀行は先月初旬に2019年通年のインフレ率見通しを昨年12月の3・2%から3・1%へと下方修正している。
国家経済開発庁は、今回の統計局の結果を歓迎しつつ、今年6月まで続くとされる「エルニーニョ現象による食料生産への影響は懸念材料」だとしている。
地域別では2月の首都圏のインフレ率は3・8%で、1月の4・6%、昨年2月の4・7%からも低下、18カ月ぶりの低いレベルを記録した。首都圏以外の地域のインフレ率も同じ3・8%で、1月の4・4%から低下した。(岡田薫)