インフレ率3.1%に下方修正 政策金利は4.75%に据え置き
比中央銀行は2019年のインフレ率見通しを3.1%に下方修正、政策金利は据え置いた
フィリピン中央銀行は7日の金融政策委員会で、2019年のインフレ率見通しを昨年12月の3・2%から3・1%に下方修正した。先に統計局が発表した1月の消費者物価指数(CPI)上昇率が4・3%と、3カ月連続して低下するなど、物価上昇が沈静化したとの判断に基づいたものとみられる。ただ中銀は、今後ドゥテルテ政権のインフラ政策「ビルド(建設)・ビルド・ビルド」の推進で、輸入の増加が見込まれるため、引き続きインフレ圧力を警戒しながら、物価抑制の金融政策に取り組むとしている。一方、政策金利については4・75%に据え置くことを決めた。
金融政策委員会後、記者会見したギニグンド副総裁は「世界的な原油高が一服し、主要食料品価格も落ち着きを取り戻している」と指摘。「今年通年のインフレ率は3・1%、20年は3・0%に低下する見通しだ」と述べ、向こう2年間、インフレ率が政府目標の2〜4%に収まると自信を示した。
一方、中銀は同日金融政策委員会で、主要政策金利である翌日物借借入金利を4・75%に据え置いた。ギニグンド副総裁は国内需要や個人消費が堅調に推移していると指摘しながらも、景気の過熱感は沈静化し、金融引き締め政策に一区切りついたとの認識を示した。
アナリストや市場関係者も大方が金利据え置きを予想しており、比証券取引所の総合株価指数は8日、米中「貿易戦争」長期化への懸念再燃で反落したものの、小動きにとどまった。
中銀は昨年11月までの5回の金融政策委員会で、政策金利を計1・75%引き上げ、12月の委員会で金利を据え置いた。