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10月3日のまにら新聞から

ユーロ選手に大使特別賞 比体操界の若き英雄

[ 944字|2024.10.3|文化 スポーツ (culture) ]

パリ五輪の男子体操種目別で比初の金メダル2個を獲得したユーロ選手に遠藤大使が「大使特別賞」授与

遠藤大使(右から3人目)から「大使特別賞」の盾を贈られたカルロス・ユーロ選手(同4人目)=1日、首都圏マカティ市の大使公邸で萩原裕之撮影

 首都圏マカティ市の日本国大使公邸で1日、パリ五輪男子体操種目別の床と跳馬で二つの金メダルに輝いたフィリピン体操界の英雄、カルロス・ユーロ選手(24)に対して、遠藤和也大使から「大使特別賞」が授与された。同賞はスポーツ界および日比関係に多大な貢献を果たした個人や団体の功績を称えるもので、授賞式にはフィリピン体操協会(GAP)のシンシア・カリオン会長や渡辺守成国際体操連盟会長らも駆けつけた。

 遠藤大使は同賞の授与式でスピーチし、「ユーロ選手の揺るぎない献身と努力が比に歴史的な快挙をもたらした」とした上で、「日本がユーロ選手の活躍に貢献できたことに敬意と感謝の意を示す。今後もスポーツや人的交流を通じて日比関係をさらに強化していきたい」と語った。

 これを受けてユーロ選手は、比における体操競技の普及や将来有望な選手の育成に対する日本政府および日本大使館の継続的な支援に対して感謝の意を述べた。

 ユーロ選手は2016年に日本体操協会からの奨学金プログラムの対象となり、来日して帝京大学で釘宮宗大コーチによる指導を受け、日本人選手らとともに切磋琢磨し、厳しい練習を乗り越えて頭角を現してきた。18年にはドーハ世界選手権で比人選手として初めて総合と床で決勝進出し、床で銅メダルを獲得。19年には全日本シニア選手権の床で内村航平選手と同点金メダルを得たほか、シュトゥットガルト世界選手権の床で金メダルを獲得し、東南アジア初の世界チャンピオンになると同時に東京五輪代表の座もつかんでいる。

 1日には大使公邸で記者会見も開かれ、ユーロ選手は「釘宮コーチとの関係では行き違いがありながらも体操技術だけではなく精神面の強さを教わった」と強調した。また、東京五輪では成果が出せず、その後の釘宮コーチとの決別、体操に対するモチベーションの低下など挫折を何度も経験しながらも、比国民の希望を背負ってパリ五輪で二つの金メダルを獲得するにいたったことを改めて振り返った。

 会見後の夕食会ではユーロ選手や大使夫妻をはじめ関係者25人が参加。一向は公邸料理人の関根禎二氏創作の「ミンダナオ産牛サーロインのジャポネーズ焼き」などのコース料理に舌鼓を打ちながら、歓談を楽しんだ。(萩原裕之、澤田公伸)

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