追跡6
[ 2165字|経済 (economy) ] 有料アキノ政権の比経済運営はおおむね順調に推移したが、1〜9月の成長率は5・6%と鈍化傾向も
2015年のフィリピン経済はおおむね順調に推移したが、1〜9月の国内総生産(GDP)の成長率は5・6%にとどまり、経済成長に鈍化傾向が見え始めた。活発な個人消費が続いているものの、比人海外就労者(OFW)の送金は15年は前年比4・3%増になる見通しで、13年同6%増、14年同5%増から伸び率が低下している。一方、15年の世界経済は中国の経済減速でアジア地域に影響が出ているほか、米国が9年半ぶりの利上げで引き締めに転じ、エルニーニョ現象の影響もあり、不透明感が増した。これらの不確定要因が拡大基調の比経済に影を落とす可能性もある。残り5カ月となったアキノ政権は失業や貧困問題を先送りしたまま、引き続き難しいかじとりを迫られそうだ。