邦人誘拐裁判
[ 1847字|社会 (society) ] 有料被告8人の明暗分けた被害者証言。現場で目撃の3人は死刑、主犯格ら5人は釈放
比の刑事裁判は物証よりも証言を重視する傾向が強い。ミンダナオ島南スリガオ州で二〇〇三年一月に橋場康充さん(50)‖東京都葛飾区出身‖を誘拐したとして比人八人が営利目的誘拐、強盗両罪に問われた裁判でも、被害者証言の有無が八人の「明暗」を分けた。結果は「死刑三人、釈放五人」。起訴から判決まで、約三年近く訴追を担当したフロリト・クアルテロ検事(50)は「通訳の問題で橋場さんの法廷証言は実現しなかった。証言があれば(釈放された五被告のうち)三人は死刑にできた」と話している。