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　十八日午後、ルソン島に上陸、同島中・北部を暴風雨圏に巻き込みながら北東に進んだ台風「ガディン」は、首都圏を含む同島中部を中心に甚大な被害をもたらした。海上では同日夜、マニラ湾口でフィリピン最大級の大型内航客船が沈没、死者・行方不明百四十三人を出す大惨事を引き起こした。一方、陸上では、十八日から十九日にかけてピナトゥボ火山から流れ出た泥流（ラハール）を阻止するダムの一部がタルラック、サンバレス両州で決壊、中部ルソンで洪水による被害はパンパンガなど四州に広がった。また首都圏では、マリキナ市でがけ崩れが発生、パシッグ川沿いの地域では住宅多数が床上浸水した。このためエストラダ大統領は十九日、パンパンガ、パンガシナン両州を災害地域に指定した。