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8月2日のまにら新聞から

徹底調査が必要だ フィルヘルス汚職疑惑

[ 633字|2020.8.2|社会|新聞論調 ]

 国民皆保険(ユニバーサルヘルスケア)法を実施するために2221億ペソを超える資金を委託されているフィリピン健康保険公社(フィルヘルス)の腐敗がますます悪化している。公社では、人工透析の架空請求などで1540億ペソが失われたことが明らかになり、前任のフェレール総裁が辞任したが、なおやまない腐敗のすさまじさに、汚職防止法務官は嫌悪感から辞任した。

 先週、公社で働いていた弁護士のトールソン・ケイス氏はモラレス総裁について「シンジケートの新しいリーダーになったのではないか」とさえ言った。総裁はドゥテルテ大統領が任命した元国軍の准将である。

 5月に上院の野党院内総務のドリロン議員は、公社が購入している新型コロナ検査キットが8150ペソと高額であることを問題にした。すると、2週間後、検査キットの値段は3409ペソになった。さらに、政府の監査人は、公社の21億ペソのITシステム計画に当初予算案に含まれていなかった7億3400万ペソが含まれており、情報通信技術省によって承認されていたと指摘。また、公社が4月15日に、新型コロナ患者が一人もいない北サマールの私立病院に960万ペソの助成金を交付したことも告発した。ほかにも、公社とドゥケ保健相の親戚が所有する製薬会社との契約など、保健相への利益誘導疑惑もある。

 モラレス総裁自身は裏庭の様子を精査することに興味がないように見える。独立機関による問題の徹底的な調査が不可欠だ。(7月31日・インクワイアラー)

社会

上院が対面授業再開を勧告 教育相も必要性訴え

[ 1010字|2021.3.4 ] 無料記事

【議会上院は、コロナ感染の低リスク地域で公立小中高校の対面授業を試験実施する決議を採択】 上院は2日、新型コロナウイルス感染のリスクが低い地域で公立小中高校の対面授業を即時、試験実施することを勧告する決議を採択した。教育省の方針に基づき、限定的に対面授業を試験実施し、学校の対面授業を安全に再開する枠組みを設計するデータ集めが狙いとしている。  決議は「長期にわたるコロナ禍による学校閉鎖は、最も弱い立場で取り残された児童生徒とその家族に深刻な影響を与え、栄養や子育てなど、既存の教育格差を拡大させた」と分析。一方で、対面授業の実施については、防疫規則や保健省、新型感染症省庁間タスクフォース(IATF)のガイドラインなどに従った「パイロットテスト」と位置付け、児童生徒の参加は自発的とし、保護者の明示的な許可が必要としている。  決議では、2月9日現在で未回復の感染者(アクティブ)がゼロの自治体は全国で3市433町で、パイロット調査に参加予定の学校を1065校(全国の公立学校の約2・2%)と報告。最近の基礎教育委員会公聴会での国連児童基金(UNICEF)の報告を引用し、昨年3月以降、学校が閉鎖されたままの国は東アジア・太平洋地域でフィリピンだけで、世界でも学校を再開していない国は他に13カ国しかないとしている。  決議の共同執筆者のソット議長は「安全面で遠隔教育に利点があるが、対面学習は教育に必要だ。家庭によってインターネットへのアクセスなどに格差があることも考慮することが重要だ」とした上で「断続的であっても、教師が生徒と直接会い、学習状況を確認し、必要な指導をする機会が増える。対面式授業は、効果的な遠隔教育を受けられる生徒と、社会から取り残された生徒との格差、不平等を取り除ける」と述べた。  ブリオネス教育相も2日、児童生徒が長期間、自宅にこもっていることの悪影響を指摘、改めて学校での対面授業を再開する必要性を訴えた。  3日付英字紙トリビューンによると、教育相は「子どもが家に長期間こもっている間、常に親と顔を合わせなければならないため、心理社会的な問題がかなり出てきている」と指摘。「家にいると、家事など雑事を手伝わなければならないこともあり、勉強しようとしても気が散ることが多い」と説明した。100万人以上を対象にした教育省による調査で、生徒たちが対面学習を強く支持していることが分かったことも紹介、「多くの生徒が遠隔学習よりも対面授業を望んでいる」と述べた。(谷啓之)