Logo

18 日 マニラ

32°C25°C
両替レート
¥10,000=P3,800
$100=P5,890

18 日 マニラ

32°C25°C
両替レート
¥10,000=P3,800
$100=P5,890

墓地を聖なる森に 土地確保問題への解決策

2019/11/8 社会

 毎年11月1日の万聖節には、われわれは亡くなった先祖や家族を敬い墓地へと向かう。一方、国土の一部は日々墓地へとその姿を変えている。今生きている1億人を超えるフィリピン人も、地球上の他の76億人も、火葬される少数の人々を除いては、いつかは埋葬される土地が必要になる。皮肉なことに、生存中に住む土地を手に入れられなかった者も、あの世では亡骸(なきがら)のために土地が用意される。

 しかし、一度墓地になると、その土地は耕作や居住、商業の土地としては使えなくなってしまう。世代が入れ替わるにつれ、墓地用の土地は拡大するばかりだが、土地自体は有限だ。

 ある夜、妻とおしゃべりしている時に、墓地の各区画に苗木を植えるという案を思いついた。亡骸は木の養分となり、その木は愛する人の生きた記念となるのだ。残された家族はその木の世話をする。もしこうした文化が育くまれれば、墓地は寂しく荒れた土地ではなくなり、聖なる森になるだろう。さらに街に緑を与え、ピクニックや運動ができる公園になる。

 妻はこのアイデアに心が躍ったようだ。そこで、こうした取組みが他国でなされているか調べてみたところ、2つの民間企業が見つかった。一つはメモリー・フォレストという米国の企業で、「墓碑を樹木へ、そして墓地を森へ」と謳(うた)い、火葬後の遺灰を埋めて木を植えるサービスを提供している。

 また、イタリアのカプスラ・ムンディ社は、卵型をした生分解性プラスチックの棺(ひつぎ)に遺灰を納め、「種」として大地に埋めるという(火葬せずに埋葬するやり方はまだ構想段階)。本人が生前に選んだ種類の木を植えることができるそうだ。

 死者を表し、かつ死者によって養分を得る木々を切ろうという者はいまい。もしこの取組みが実現すれば、地球が聖なる森で覆われることになるだろう。(4日・インクワイアラー、ジョエル・ルイス・ブトゥヤン)

おすすめ記事

BI、地方での取り締まり強化 関係機関と連携し作戦

2025/11/18 社会 無料
無料

エルミタ・マラテ地区の観光復興 マニラ市、事業者と連携強化し本腰

2025/11/18 社会 有料
有料

LRT2、23万超が無料乗車利用 MRT3では無料乗車68万7千人

2025/11/18 社会 有料
有料

約50万人のIglesia ni Cristo(INC)信徒がキリノ・グランドスタンドに集結

2025/11/17 社会 無料
無料

国家捜査局が創設89周年 マニラで記念式典

2025/11/17 社会 有料
有料

BI、韓国籍逃亡者2人を逮捕 違法オンライン賭博事件で手配

2025/11/17 社会 有料
有料