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4月21日のまにら新聞から

根拠のない渋滞緩和策 バス乗り入れ禁止

[ 647字|2019.4.21|社会|新聞論調 ]

 効率的な大量輸送が道路の仕組みの中で優先されるという価値観が深く定着しているシンガポールでは、首相の車列がバスに道を譲る。しかし首都圏では、首都圏開発局(MMDA)が地方行きのバスの乗り入れを禁止することで、渋滞緩和を図ろうとしている。バスを禁止することで乗用車に道を開けようとしているが、それを裏付ける科学的なデータや根拠は存在していない。

 アルバイ州選出の下院議員らによると、首都圏には280万台の乗用車がある。しかし、北部ルソンから首都圏を含めた南部ルソンまで運行するバスは4千台だけだ。バスは,少ない時間でも35人、ピーク時には50人の乗客を運んでいるが、乗用車は平均1・5人しか運んでいない。MMDAは効率的な4千台のバスが280万台の乗用車より渋滞を引き起こすと信じているようだ。

 MMDAの計画通り首都圏の外に地方行きのバスターミナルを設置することで、エドサ通りの車両数が減ることがあるだろうか。首都圏内のバスは地方バスと同数の市民を運ぶ必要があり、少なくとも同じ数のバスが必要だ。バンなど、より小型の公共輸送に頼ればもっと多くの車両が必要になる。

 また、この計画はデータと科学以外の点でも悲惨な点がある。貧困層と地方在住者に厳しいという点だ。外から首都圏に向かう市民は乗り換えを強いられ、時間と金が余計にかかる。

 MMDAがこの計画を実行する理由は、自動車メーカーとディーラーが億万長者で、乗用車の規制は聖域になっているからだろう。(14日、マニラ・タイムズ)

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