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ハッカーの背後に北朝鮮 RCBCを正式提訴

バングラデシュ中銀がRCBCを正式提訴、ハッカーの背後に北朝鮮と指摘

[ 1003字|2019.2.3|社会 ]

 2016年にバングラデシュ中央銀行がハッキング被害に遭い、米銀行口座から8100万ドルの預金がリサール商業銀行(RCBC)の支店を通じてフィリピン国内のカジノで資金洗浄されていた事件で、同中央銀行は2日までに、RCBCを相手取り米ニューヨーク連邦地裁に正式に提訴した。

 訴状によると、北朝鮮のハッカーが国際銀行間通信協定(スイフト)の運営する国際送金システムに侵入することで、口座から国際送金を可能にし、RCBC関係者の共謀により資金洗浄されたと告発している。2日付け英字紙マニラ・タイムズが報じた。

 訴状でバングラデシュ中銀は、被告人としてフィリピン人と中国人、RCBC関係者を含む23人の氏名を明記したが、残り25人の被告人は氏名不詳としている。ハッキングされた資金は比国内のカジノ施設で資金洗浄されたものの、最終的な資金の行き先も不明だとしている。

 一方、RCBC側も2日までに声明を発表し、「まったく根拠のない訴え」と批判、裁判審理に向けて米国の著名な法律事務所と契約を結んだことを明らかにした。この事務所の筆頭弁護人も「被告人は誰も米国におらず、提訴する権利はない」とバングラデシュ中銀を批判した。

 米サイバーセキュリティーのファイア・アイは昨年10月、北朝鮮から支援を受けているハッカー集団が2014年以降に11カ国、16以上の金融機関を攻撃し、11億ドル以上の窃盗を試み、うち1億ドルを盗むことに成功したとの分析結果を報告した。その中でベトナムやバングラデシュの中央銀行を標的としたことを明らかにしている。北朝鮮に対する経済制裁が強化される中、国益追求のためハッカーを通じた資金窃盗が増えていると説明している。

 3年前にバングラデシュ中央銀行の口座からハッキングで盗まれた資金は1億100万ドル。うち8100万ドルがRCBCのマカティ支店に送金されたほか、残り2000万ドルはスリランカに送金された。スリランカに送金された資金は同中央銀行に返還されたが、比からは1454万ドルが返還されただけで、残りはまだ取り戻せていない。

 同事件をめぐってはマカティ地裁が今年1月、資金洗浄防止改正法違反など八つの罪に問われたRCBC元ジュピター支店長に対し、禁固刑や罰金などの有罪判決を下した。また、比中央銀行もRCBCに対し2100万ドルという巨額な罰金を科した。(澤田公伸)

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