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2月9日のまにら新聞から

「売れば大損」と精肉店 価格制限の初日 販売停止続出

[ 1075字|2021.2.9|経済 ]
価格上限が設置された初日、「今日は肉を売るのをやめた」と話すマリオ・キサダさん(右端)=8日午後2時過ぎ、首都圏マカティ市ピオデルピラールの公設市場で岡田薫撮影

 値段の高騰が続いていた首都圏の豚肉と鶏肉をめぐり60日間の価格上限設定が実施された8日、精肉店は「ポークホリデー」を宣言するなどして販売を停止したり、上限価格を無視する店が続出した。

 これに対し農務省は「南コタバト州から毎週豚1万頭の輸送を確保した。卸売業者の買い取り価格は1キロ145ペソになる」とし、引き続き上限価格での販売を呼びかけた。さらに卸売業者にはミンダナオ地方からの豚には21ペソ、ビサヤ地方は15ペソ、ルソン地方は10ペソの輸送費補助を行うとした。

 ダール農務相は8日、豚肉価格の急騰について「過去3週間、首都圏の卸売業者が価格つり上げを狙って互いに競い合っている」とも指摘した。

 ロケ大統領報道官は「(販売を停止した)小売店には販売継続を呼び掛けていく」と述べつつ、「豚肉の供給不足が解消しない場合は、輸入も可能だが、それは最後の手段だ」との認識を示した。政府は上限価格違反の店に対する罰則規定は設けていない。

 ラジオ局dzBBは8日、マニラ市のディビソリアやパコ地区の公設市場で豚肉の販売が停止。トンド地区のニュープリティル市場では仕入れ値の安い冷凍肉だけが売られていると報じた。

 ▽500グラムで表示も

 マカティ市ピオデルピラールの公設市場で26年間肉を売ってきたマリオ・キサダさん(42)は地元イロコス州から取り寄せた豚肉ソーセージ(1キロ180ペソ)のみを売っていた。「今日は肉を売るのを見送った」と言う。

 キサダさんによると、前日までピギー(豚外もも)は1キロ280ペソで仕入れ、340ペソで売っていた。「政府が定めた270ペソで売れば大損だ」と力なく笑みを浮かべた。鶏肉(丸ごと)も昨日まで、1キロ165ペソで仕入れ、200ペソで売っていたが、政府は160ペソを上限にしたため、販売をやめていた。

 午後2時過ぎ、同市場で6軒ほどある肉屋のうち、肉を並べて開けていた店は1軒のみで、その店は政府の上限価格を無視した高値で売っていた。

 マカティ市のスーパー「ウォルターマート」では1キロ当たりの値段表示が500グラム当たりに代わり、リエンポ(豚ばら)が224ペソ(1キロ448ペソ)の高値で売られていた。冷凍リエンポも1キロ380ペソで、いずれもキロ当たりの上限価格300ペソを上回っていた。

 肉コーナーのスタッフは「明日以降も値段の変更は特に聞いていない」と話した。鶏肉(丸ごと)は政府の上限価格を少し上回る1キロ180ペソと175ペソの2通りの値段で売られていた。(岡田薫)

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