次世代タマラウ量産開始 PEZA長官らが出席し記念式典
トヨタ・モーター・フィリピンが次世代商用車ブランド「タマラウ」の量産開始を記念する式典を開いた
トヨタ・モーター・フィリピン(TMP)は11月28日、1980年代から2000年代までフィリピンで高い人気を誇った商用車ブランド「タマラウ」の次世代型車両の量産開始を記念する式典をラグナ州サンタロサ市の同社組み立て工場で開催した。式典にはフィリピン経済区庁(PEZA)のパンガ長官や同社のアルフレッド・ティ会長、橋本正人社長らが参列した。PEZAが29日にプレスリリースを発表した。
次世代「タマラウ」はTMPが11億ペソを投資し、1・5ヘクタールの工場用地を専用組立ラインに転用して生産される。同社が比国内で製造する車両モデルとしては3番目で、直接雇用数が500人、その他の間接雇用数が1万5000人を超える予定。
新型「タマラウ」は来年1月から国内市場に投入される見込みで、販売価格は80万ペソ未満からに設定されるという。
ティ会長は式典のスピーチで「(新型タマラウの投入は)われわれの国に対する誓約への証であり、フィリピン人のモノづくり技術への確信を築き上げ、フィリピンのためにこれまで以上の品質のクルマを作り上げるという我々のミッションの実現にあたる」と述べて比トヨタ社員らの努力を評価した。
かつて乗り合いタクシーなどに利用され「道路の王様」とも呼ばれた元祖タマラウは2005年に生産を中止していた。
新型タマラウはピックアップトラックをベースにしながら、ディーゼルエンジンとガソリンエンジンの両方が用意され、購入者の希望によってボディーの材質を貨物運搬用のアルミバンタイプにしたり、乗り合いタクシーのような乗客用バンタイプなどにカスタマイズすることが可能となっている。
「タマラウ」はフィリピン語で「水牛のフィリピン原産種」を意味する。ミンドロ島などで棲息が確認されているが、絶滅危惧種とされている。
比トヨタは2023年総額6億6500万ペソの輸出収入をあげている。(澤田公伸)