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2月26日のまにら新聞から

大統領の実績に傷

[ 695字|2007.2.26|社会 (society)|新聞論調 ]

政治的殺人事件の波紋

 左派系活動家、良心的な判事とジャーナリストを標的とした政治的殺人事件の

一部が国軍兵士と警察官らによる犯行とされた。これに不服な国軍、国家警察の幹部たちはその事実を受け入れず、反発している。そうした姿勢が新たな問題を生み、アロヨ大統領が財政・経済分野でせっかく積み上げてきた実績に泥を塗ることになる。

 相次ぐ政治的殺人事件は国内外のメディアにより世界に伝えられ、国際社会は

アロヨ政権の犯罪取り締まり姿勢に疑問を抱くだけでなく、同政権の「共謀説」まで浮上している。また、比政府の司法長官と国軍幹部が国連人権理事会の派遣したアルストン特別報告者を非難したことで、この国を独裁者に支配された中南米諸国と同一視する動きも出ている。そうした諸国は最後には欧米政府と投資家たちから罰を受け、崩壊の一途をたどる。

 一方、本紙主催の会議に出席したサザランド駐比カナダ大使は、テロ対策法案の議会通過が投資部門に波及する効果を強調した。同通過により投資家たちに比政府の積極的なテロ対策姿勢、投資の安全性を印象付けたという。対極にあるのが政治的殺人事件で、一向に収まらず、解決もしない同事件に対し、国際社会と投資家たちはこの国への不安と不信感を高めている。

 軍事独裁政権を望む者たちは「投資家の関心は金で、人権や正義ではない」と吹聴するが、中南米諸国やマルコス独裁政権を見るまでもなく、そこに集まるのはいかさま投資家だった。アロヨ大統領は軍人関与の政治的殺人事件を許してはならない。そうした軍人こそが大統領の実績を傷つけ、フィリピンの国際社会での「一等国」入りを阻むからだ。(23日・マニラ・タイムズ)

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