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7月25日のまにら新聞から

共産勢力の脅威利用

[ 681字|2005.7.25|社会 (society)|新聞論調 ]

軍・警察の「脅威」

 国軍と国家警察が、アロヨ大統領の施政方針演説に備え、共産勢力の脅威をあおり立てている。国民を脅かし、反政府集会への参加を妨害しようという使い古した手口であることを願う。しかし、彼らは何かをでっち上げ、共産勢力のせいにしようとしているのかもしれない。

 国軍スポークスマンのホンラド空軍准将は、「入手した機密情報は、施政方針演説を妨害しようとする全般的な脅威があることを示している」と述べた。

 一方、ロミバオ国家警察長官は、比共産党から分裂したグループが電話盗聴問題に絡む大統領の選挙不正疑惑に関係するすべての人物を暗殺すると脅迫していると主張する。

 グループの名前は「パルティド・マルキスタ・レニニスタ」(フィリピノ語でマルクス・レーニン主義党)。共産党は分裂を繰り返しており、そのような党が存在する可能性は否定できない。だが、何かしでかすほどの力があるとは思えない。

 軍や警察によると、施政方針演説に合わせた左派系団体の抗議集会に共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)が潜入するとの情報もある。だが、これは「共産勢力の暴力から守るため」と称し、デモ隊を排除するための言い訳だろう。

 軍人上がりが大半を占める現政権の強硬派は反政府集会に工作員を送り込み、暴動や混乱を引き起こして野党弾圧の口実にする恐れもある。そして、すべては都合良く共産勢力のせいにされるのだ。

 軍・警察はデモの参加者が乗るバスやジプニーが首都圏に入るのを拒否しながら、政府支持者が乗るバスやジプニーは許可。しょせんは「大統領のための中立」をうたっているにすぎない。(20日・マラヤ)

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