ハロハロ
昨年九月に更新申請した運転免許証が九カ月ぶりに手に入った。マニラ首都圏では、昨年からのコンピューター導入で二時間弱も待てば取得できるというのに、なんと三百日近くもかかった。小生と「できた?」、「まだだ」と問答し合った地元カビテ州の陸運局(LTO)支所長は「書類は全国からの申請を処理するケソン市のLTO本部に送った。免許証はいつ来るか分からない」と言い訳し続けた。
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実は、前回までの更新は首都圏内のLTO支所長を親類に持つフィリピン人の知人を通じて行っていた。十倍近くするヤミ手数料を払うと、コンピューター導入以前にもかかわらずほぼ一週間で免許証は届けられた。今回は自虐的に「コネなしだとどんな目に遭うのか」と試みた。想像をはるかに上回る悲惨な結果が待っていたわけである。
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一番困ったのはLTO支所が何の通知もしてこないことだ。申請時に渡された紙切れ一枚の仮免許証の期限は今年二月十日。期限日直前に支所に出向くと、所長は紙の裏面に手書きで期限延長しただけ。投票から大統領の公式当選発表まで四十六日もかかる国。コネのない一般市民は怒ることもなく、「こんなもの」とあきらめてしまっている。この無気力が社会の病根を広げ続けている。 (康)