霊山の謎に迫る
[ 2005字|文化 スポーツ (culture) ] 有料第1回 自然の聖霊と神が同居するバナハウ山は、反スペインから生まれた比独自の信仰の総本山
ルソン地方ケソン、ラグナ両州の州境に横たわる比の霊山、バナハウ山。その頂上では神の声が聞こえると伝えられ、豊かな水と緑に囲まれた山麓一帯は、スペインから持ち込まれたローマ・カトリックと自然に宿る土着の精霊信仰が融合した多様な信仰が集まる。聖週間に全国から訪れる巡礼者、奇跡の力を信じて山の麓で暮らす多数の民間療法師、比独立運動の英雄、ホセ・リサールが山麓でまだ生きていると信じる「リサリスタ」と呼ばれる人々、自然の美しさに魅了される登山家・・。古くから比の人々の心をひきつけてきた霊山の謎と現在の姿に迫る。(大矢南・武井信峰)