検証1遺骨収集
[ 1470字|社会 (society) ] 有料太平洋戦争で戦死した旧日本兵の遺骨収集活動でトラブル発生
太平洋戦争終結から64年。戦場となったフィリピンで命を散らした旧日本軍兵士のうち、まだ多くの遺骨が野ざらし状態のまま。その中、遺骨収集活動のために来比した政府派遣団が7月、ビサヤ地方セブ州のリゾート施設で行った遺骨の焼骨をめぐるトラブルが、厚生労働省職員らを相手取る損害賠償訴訟に発展した。遺骨収集が比日両国にとり微妙な問題をはらむ現状とともに、1957年から続く遺骨の「野焼き」が比国内関連法で禁じられていることもあらためて明確となった。違法問題に絡んだトラブルを受け、比日両政府は12月上旬、比国内法の枠内で活動することで合意した。遺骨収集は半世紀を経て、ようやく「法令順守」を大前提に新たなスタートを切ることになる。 (藤岡順吉)