タマラウを守る1
[ 1996字|社会 (society) ] 有料比群島史裏付ける固有種。唯一の生息地ミンドロ島の個体数は1世紀で97%減
二〇〇九年は丑(うし)年。フィリピンで牛といえば、「国獣」にもなっている水牛のカラバウだが、これは東南アジア一帯に広く分布する広域種。比だけに生息する固有種はタマラウと呼ばれる小型の水牛だ。比ワシなど他の固有種と同様、タマラウの個体数も二十世紀以降に急減し、国際自然保護連合(IUCN)の近絶滅種に指定されるに至った。野生種絶滅の危惧(きぐ)が高まる中、唯一の生息地、ルソン地方ミンドロ島で続くタマラウ保護事業の現状と課題を五回に分けて紹介する。(酒井善彦)