コタバト市
[ 1224字|社会 (society)|抗う人々—ミンダナオ紛争地ルポ ]午後9時境に人波消える 「戦場の街」を実感
ミンダナオ地方のイスラム教徒は、十六世紀半ばから四百五十年間、国内外からの侵略に抗(あらが)い続けてきた。改宗を迫るスペイン人との戦争。カトリック化した「フィリピン人」との骨肉の争い。ミンダナオ島マギンダナオ州では、イスラム急進派、モロ・イスラム解放戦線(MILF)と国軍との武力衝突が現在も続く。MILFの最大拠点、アブバカール基地陥落後、外国人記者として初めて同基地内に足を踏み入れ、爆撃の傷跡が生々しく残る戦場や廃墟と化した町々、そしてそこで生きるイスラム教徒の姿を追った。(酒井善彦)