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1月4日のまにら新聞から

シンプルで包括的な警報システムを 熱低ウスマンの教訓

[ 764字|2019.1.4|社会|新聞論調 ]

 熱帯低気圧ウスマンが年末にかけてルソン地方ビコール地域などで多大な被害をもたらした。死者75人、負傷者12人、家畜や農作物の被害が2億4千万ペソ以上に達した。台風でもない勢力の弱い熱低によってどうしてこれだけの被害が出たのか。気象庁や災害対策本部が何度も警報を出していたにもかかわらずだ。市民防衛当局や地方自治体は早期避難警報などの災害対策をもう一度見直す必要がある。

 これまでの報道で南カマリネス州にあるブヒやバアオ、イリガなど各市町で床上浸水が相次ぎ、山岳部では土砂崩れが起きた。

 かんがい庁はブヒ湖の水位が危険になったため放水し下流域で甚大な被害が出たのだ。しかも下流域の住民たちは直前までそんな事態になるとは予想もしていなかった。

 現地の市民防衛室幹部は「住民たちはクリスマス休暇ムードだったこともあり、台風でもないウスマンに注意を払っていなかった」と述べている。しかし、災害対策本部は12月29日午前8時にはビコール地域やカラバルゾン地域などに大雨警報を出し、「河川流域や山岳地域の住民は災害に注意を」と呼び掛けていたのだ。

 この時、住民たちは台風警報を避難の判断基準にしていたのではないか。台風警報で、学校の授業などが自動的に休校となる警報3が出ない限り大丈夫だという先入観があったのだ。

 しかし気象庁の台風警報は、台風の勢力の強さに基づく被害への警戒を示し、雨量や洪水に関するものではない。

 今回のケースはさまざまな警報や注意報が多数出されていることから逆に機能しなかった可能性もある。これまでのように多種多様な警報を出すのではなく、台風や雨量、洪水可能性などへの警報を盛り込んだ、シンプルではっきりとした包括的な早期災害注意報を作成するシステムを確立させるべきだろう。(2日・タイムズ)

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