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11月25日のまにら新聞から

マハティール首相との違い 国際会議欠席

[ 663字|2018.11.25|社会 (society)|新聞論調 ]

 マレーシアの首相に返り咲いた93歳のマハティール氏は「会議には必ず出席する。それが私の職務だからだ」と話す。東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳関連会合を相次いで欠席するフィリピンのドゥテルテ大統領とは対照的な存在と言えるだろう。

 大統領の欠席について、大統領府は「非常に疲れており、仮眠が必要だった」と素早く弁明。「疲労」による欠席の割には大統領自身からの言い訳も力が入っており、報道陣の質問にいらついた様子で「昼寝の何が悪い」と反発。さらにオーストラリア首相との非公式朝食会談の欠席についても「非公式だったら何を食べさせられるか。カンガルーの肉か」と言い放った。大統領は3月にASEAN・オーストラリア首脳会議が行われた際にも、疲労のため移動が負担という理由で、ASEAN首脳でただ1人欠席した。

 比大統領に公平になるように付け加えると、米国のトランプ大統領はASEANとアジア太平洋経済協力会議(APEC)の両会合に足を運ぼうともしなかった。

 マハティール首相は「一国の首脳の座は個人の所有物でなく国のものであり、基本的な義務が伴うものだ」と自身の考えを国民に示したそうだ。

 比大統領が米中両国にこびを売っている中、マレーシアの首相は権力に対する姿勢も毅然(きぜん)としている。8月の訪中時には中国政府に「新しい帝国主義に懸念を抱いている」とはっきりと伝え、巨額の支援を何件も断ったという。ここで比とマレーシアの首脳の違いがよく見えてきただろうか。(20日・インクワイアラー、リチャード・ヘイダリアン)

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