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10月5日のまにら新聞から

麻薬撲滅戦争に関する3人の物語 国際刑事裁判所への告発

[ 789字|2018.10.5|社会|新聞論調 ]

 麻薬撲滅戦争で人道に対する罪が行われている。3人の物語を知ればその理由が分かる。その物語は全国人民弁護士組合の支援で遺族らが国際刑事裁判所(ICC)に提出した告発状に収められている。

 ジャスティン君がマニラ市で友人とジュースを飲んで線路に腰かけていた時、突然、武装した警官隊がやってきた。ジャスティン君は思わず逃げようとしたが線路につまずいてこけた。目撃者によると彼は警官に対し両手を上げ「許してください。降参します」と言ったが、1人の警官が彼を銃撃。ジャスティン君は倒れ、てんかんの発作が起きた。警官は驚き、彼の顔を平手打ちし再び銃撃。さらに彼の顔を殴り、本当に動かなくなったのを確かめた。別の警官らがさらに弾を撃ち込んだ。

 当初、警察は麻薬捜査中の出来事だったとした。ジャスティン君の家族が確かめると今度はトライシクル運転手を殺害した容疑者だったと話を変えた。

 ダニロさんは昔、カード賭博で捕まったことがあった。昨年8月のある夜、彼と妻、孫たちの住む家に警官隊がやってくると、いきなりドア越しに自動小銃などを乱射した。ダニロさんは銃弾3発受け即死。上の部屋にいた義理の娘に対し「麻薬中毒を殺せというドゥテルテの命令だ。彼を逃がしておけばよかったのに」と警官が言い残した。警察はダニロさんが先に銃撃したので射殺したと説明した。

 ホテル清掃員だったデビッド君は仕事帰りに友人とバイクでマニラ市を走行中、警官に呼び止められ拘束。翌朝、病院の死体置き場で見つかった。警察は武装密売人と主張したが、遺体が病院に運ばれた時、取材中のロイター通信記者が記事にし、警察の捜査手続きの不備が明らかとなった。

 遺族たちは比で正義は実現しないとICCに訴えた。ICCはこの国で人道に対する罪を犯した犯人に国際逮捕状を発行してほしい。(2日・スタンダード、トニー・ラビーニャ)

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