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8月5日のまにら新聞から

遠い和平への道のり 比初の自爆テロ

[ 653字|2018.8.5|社会|新聞論調 ]

 ミンダナオ地方バシラン州ラミタン市で7月31日早朝、検問で止められたバンが爆発、容疑者の運転手の男を含む10人が死亡した。大統領府は「イスラム国」(IS)への支持も表明するイスラム過激派アブサヤフが事件の背景にいるとしている。国軍によると、フィリピンで初の自爆テロという。

 比ではアブサヤフだけでなく、東南アジアのイスラム系テロ組織、ジェマ・イスラミヤ(JI)などのメンバーが、戦闘方法、爆弾製造を教え、比人テロリストを「養成」してきた。爆弾製造技術などを伝える過激派メンバーは外国人であることも少なくなかったが、比では自爆テロだけは発生していなかった。

 バシラン州はもともと、イスラム過激派の拠点となってきた。アブサヤフは同州内の密林に隠れながら、教会襲撃や身代金目的の拉致、レイプ、殺人などを繰り返してきた。自爆テロ発生のタイミングを考えると、ミンダナオ和平の遠い道のりを感じさせる。ドゥテルテ大統領は先週、イスラム教徒居住区に高度な自治を認めるバンサモロ基本法に署名したばかりだからだ。

 国軍は現時点ではアブサヤフがテロの背景にいるとしているが、アブサヤフがほかの過激派、特に、昨年マラウィ市を半年間占拠し戦闘を行ったマウテグループと共謀している可能性を考えると恐ろしい。バンを運転していた容疑者は爆発で死亡しているが、爆弾の製造、運搬は1人だけでできることではなく、このテロ行為には必ず共謀者がいる。国家警察には全ての手を尽くして共謀者の判明、逮捕にこぎつけてほしい。(1日・スター)

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